暖かさを含んだ風に水仙が揺れて、沈丁花の香りがとどくようになった春。

春も盛りなのかなと考えていたら、桜の蕾がすこし膨らんでいた。まだ春のピークは終わっていなかった。

 

今日は2時間くらいお外をふらふら歩いてみた。土手でうたを口ずさんで、児童館のブランコを漕いで、小さなスーパーでおつかいを済ませた。

地元に住んでいるけど、知らないお店や新しい建物がにょきっと生えていて、その小さな気づきが、ちょっとした勇気になった。なんの勇気なのかは目下思考中。

とても有意義だった。私とは違うひとたちが、違うことをしているのを眺めることが。この時間帯は親子で自転車に乗っているのかとか、おばあちゃんが大きな段ボール箱を抱えてお買い物をしているのかとか。こうやってお外に出なきゃ、私はきっとお家にいることが悪いことだってずうっと考えていただろうから。

 

きれいだな、すてきだな、と思ったものにカメラを向けることは少なくなった。

じっくりと自分の目でみつめて、ゆっくりと匂いをかいで、そうっと触ることのほうに価値があるんじゃないかなと思ったから。頭が抱えきれない情報を集めることをやめて、だいぶ楽になった。

 

クリアな思考が続けばいいなと思う。

ずうっと透明になりたいなと思った。