実家に戻ってきて10日は過ぎた。

お引越しは散々で、呼吸困難にもなったけれど、なんとか終わった。私はほとんど何もしていなくて、弟と、母親のパートナーと、母親がやった。お礼も言ってない。弟は私の荷物を運び出して、私の前を通り過ぎる度に溜息をつく。自分でも溜息、つきたいよ。ごめんね。

情けないなと思う。"ありがとう"が言えないというか、言わないでいる自分。"言いたくないんだもん"と、意固地になって、私の中できつく膝を抱えている自分。そりゃあ、溜息つきたくなるよ。何してるんだろうね、私。

 

実家に帰ってきてからは、何日か具合が悪くて、寝込んだり、吐いたり、下したりしていた。

食べ物にも手をつけられなくて、どうしても何か食べたいときは、夜中にこっそり、ひとりで隠れながら食べた。馬鹿みたいだ。娘であることには変わらないのに、人目を忍んで行動する。

何があったとか、何で気分が悪かったとか、あまり覚えていない。ただ、お友達と会ってお話ししたのは楽しかった。

楽しむことすら、無職の私には許されていないのだろうと、思い知ったのだけれど。

私だってこの立場にいなかったら、病気じゃなかったら、きっと、何でこんなことも出来ないでいるのに遊んでばかりいるのだろうとか思って、腹を立てていたかもしれない。だから、あまり笑わないように過ごしている。私が楽しいと、楽しくないひとが周りには多い。

 

ハローワークにも行ったんだった。

正社員というものはちょっと厳しいかな〜と思って、パートで探して、応募書類も提出してきた。

働いて家にお金を入れなさいと言われたから。

働きたいな、社会との交わりを断ちたくないな、とは思って、お仕事を辞めたら働く気ではいたのだけれど。家にお金を入れることが第一の理由になった。どうしてだろう。これ以上がっかりさせたくないからかな。

具合が悪いんですと言っても、理解されないから、ぶっ倒れるまで自分に鞭を振るってやろうとも思っているのかもしれない。死ぬ一歩手前の姿を見せたら、私のことどう思うだろう。死ねと思うのだろうか。それとも可哀想だけどとか言って、病院に閉じ込めるのだろうか。

よくわからないけれど、とりあえず働かなきゃ働かなきゃという思考にはなっている。いま応募しているところが落ちたら、また別なところを受ける。もうなんでもいい。

 

おやつは引っ越しを終えた私を待っていてくれた。車から降りると、にゃーにゃーと私の足にすり寄ってきた。雨なのに。

そんなおやつは昨日の夜、"新入り"を連れてきた。まだ小さな仔猫だった。痩せていて、おやつのお尻のにおいを嗅いで、しかめっ面をしていた。おやつと喧嘩しても、体が小さいからすぐ追いやられていた。

おやつ用のビーフジャーキーを少し遠くから投げても、においを嗅いで隠れてしまった。ただ10メートルくらい離れたところで、じぃっとおやつと私を眺めては、にゃーおにゃーおと鳴いていた。

おやつが動かないよう、しっぽの付け根をぽんぽんして、喧嘩しないで仲良くしてあげてねと言っていたら、仔猫が近寄ってきた。玄関マットで爪を研いだり、物置に入ってチューリップの匂いを嗅いだり、ダンボールに入ってみたり。

その晩は少し喧嘩したようだけど、朝には一緒にごはんを食べに来たそうだ。母親曰く、ブサイクらしい。そんなことないのに。

おやつがお父さんで、その仔猫はおやつのこどもなのかもと、勝手に妄想している。白地にところどころ、おやつと同じ色の縞がはいっている。おすわりしたときに、痩せているから頭からお尻にかけての形がおこめみたいな形になる。もし、おやつのように通い猫になったら、その子はおこめと呼ぶことにした。おこめ(仮称)は女の子みたいに、ちょっと可愛い声をしている。性別の確認はしていないけれど、女の子だったら確実に声でモテるタイプだ。

お腹が空いたら玄関で鳴けばいいよ。私か母親が外に出て、ごはんとお水を出してあげる。たまにお魚の残りもあるよ。おやつ用のビーフジャーキーもね。おやつとおこめ(仮称)が、仲良しでありますようにと願う。他のことを考えなくてもいい気がするから。

 

文字も文章も、考えてない。

久しぶりにブログを開けたから、書き殴るようにしてみた。

もう思考能力はない。5歳児並み。5歳児のほうが賢いのかもしれない。愛される術を知らないようで知っているから。

きっともう春が駆け足でこっちに向かってきている。4月が始まって、またみんな新しいことに挑戦したくなる。私もそうなりたいけれど、笑っちゃうくらい力が出ないのはどうしてだろう。言い訳を並べるばかりで、何にも手を伸ばさないでいる。良くない。

 

雨が止んだ。

おやつとおこめ(仮称)が、安心して生きていけますように。