■
ひどく寒い日が続いている。たまに陽が差し込んでも、空気が芯から冷えてしまっているから、あたたまりきらないでいる。
雪もだんだんと膨らんで、積もればずっしりと重い。湿っている雪が自らの重みで沈んでいるせいで、除雪車が朝まで動いている。
私のことをみんなと変わらないよ、と言ってくれた友人がいる。
私は他者と変わっているということを主張したいわけではない。そもそも、どこがどう変わっているのかは、私と他者との間にズレが生じていると思う。私は私以外のその他大勢の大半のヒトと、社会的足並みを揃えることができていないことは変わらない事実だ。
変わらないよ、ということばは、ありがとうと受け止めたらいいのか、なにが変わらないの?と質問をしたらいいのかわからない。きっとこれを書き終えたら、ありがとう、と書くだろう。
質問をしたら嫌味で、ひねくれたやつだと思う。そこまでわかっていてもそのことばにひっかかる私は、もう嫌な感じだ。
数日前から2ヶ月ほど姿を見せなかったおやつを見た。私を見かけたとき、最初はヒュッと車の陰に隠れた。どうしたの?という私の声を聞くと、足元にすりよってきた。
とても綺麗な毛並みで、きっとここの家はたまに遊びに来る用の家になったのだろう。それと、声がすこし小さくなっていた。あんなに大きな声を出せたおやつが、上品になっていたことに私は驚いた。
たべものを詰め込む行為を、控えられるようになった。ただ、飲み物もとらないことが多くなってきた。おかげで目眩がひどい。
しっかりとわかっているはずなのに、しない・できないということは、知能の足りなさと一種の贅沢を覚える。選択肢があることはすべて贅沢だ。
今日はゆっくりと眠る予定だ。予定通りに進められるよう努力をする。これは必須課題だ。